株式投資でよく使われる指標の一つにPER(株価収益率)があります。PERを使うことで、割安な株を見つけることが可能です。この記事では、PERの基本的な意味や割安株を見つける際のポイントを簡潔に解説します。
PERの1株利益は予想利益で求める
株式投資で割安株を探す際に、PER(株価収益率)は非常に重要な指標です。PERとは「株価 ÷ 1株利益」で計算されますが、注意が必要なのは、1株利益は予想利益をベースにして計算する必要があるという点です。過去の業績だけを見て、PERを求めて投資をしてもそれは過去のPERであり、私たちが投資するのは未来です。予想利益での計算でないとこれから投資する企業がどのように変化するのかを正しく見ることができないです。是非PERを無料サイトなどで見る際はPERの計算に使われているのが予想利益なのかを今一度確認するべきでしょう。
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\text{PER} = \frac{\text{株価}}{\text{1株あたりの利益(EPS)}}
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PERの基準値を知る
PERの平均値はおよそ15倍とされており、これより高ければ割高、低ければ低いほど割安と判断されます。しかし、業種によってはPERの平均値が異なるため、全体と比較するよりも、同業種内での相対比較の方が正確な判断をすることができます。
例えば、同業他社と比較してPERが低い場合、企業の業績が安定していれば、その株は割安である可能性があります。市場がその企業に注目し始めれば、PERが上昇し、株価も上がる可能性があります。
成長株を見つける
割安株だけでなく、成長株に注目することも有効な投資戦略の一つです。今後の1株利益がさらに成長する可能性がある企業であれば、多少PERが高くても投資する価値があるかもしれません。成長株はPERが高くても、その後株価が上がれば利益を確定するチャンスです。
良い株を見つけるためには、その企業の成長率を把握することが大切です。成長率は企業の営業利益や経常利益から読み取ることができます。過去の業績を確認し、利益が安定して伸びている企業は、信頼性が高いと判断できます。逆に利益が凸凹している企業は、次の年何があるかわからないということから投資リスクが高まる可能性があります。
PERのリスクと注意点
PERが50倍など極端に高い場合もありますが、最終的には15倍程度に収束することが多いです。PERがあまりに高すぎる企業の株は、価格の変動が激しくなるリスクもあるため、慎重に判断する必要があります。PERが高い株を購入する際は、30倍程度までを目安にするのが安全と言えるかもしれません。
また、PERは利益が出ていない企業には適用できません。その場合には、次の章で紹介するPBR(株価純資産倍率)などを使って企業の価値を判断することが有効です。
異常なPERにも注意
時には、企業の利益構造によって異常なPERが出ることがあります。例えば、前年の損失によって法人税が免除され、純利益が経常利益を上回るケースです。このような場合、企業の業績をしっかり確認し、PERが正確に反映されているか見極めることが重要です。
PERは単なる数字に過ぎません。企業の情報を総合的に評価し、自分の投資判断の材料の一つとして活用しましょう。
まとめ
PERは株価が割安か割高かを判断する有力な指標の一つですが、必ずしもPERだけで投資判断を行うのではなく、他の要素と組み合わせて検討することが重要です。割安株を見つけるだけでなく、成長株の可能性も考慮しながら、リスクを抑えた投資判断を心掛けましょう。また、異常なPERや成長の見込みのある企業の選定には注意が必要です。PBRや他の指標も活用しながら、総合的に企業の価値を評価する力を養うことが求められます。