移動平均線は、過去の株価の終値の平均値を連続的に繋ぎ合わせて描いた折れ線グラフです。具体的には、一定期間(例えば、25日や75日)の株価の終値の平均を取り、それを順次繋いでいくことで、過去の価格動向を滑らかにした線を描きます。この線を見ることで、過去の株価変動の傾向が視覚的にわかりやすくなり、相場の流れを把握するのに役立ちます。
移動平均線には、短期と長期の種類があり、それぞれの投資スタイルや分析の目的に応じて使い分けられます。
- 短期移動平均線:一般的に5日や25日などの短い期間の価格を基にして計算されます。この線は、株価の短期的な動きを捉えるのに役立ち、短期トレードやデイトレードなど、比較的素早い投資判断に用いられることが多いです。
- 長期移動平均線:75日や200日など、より長い期間の価格の平均を取ったものです。この線は、長期的なトレンドを示すため、長期的な投資の判断や、相場の大きな流れを見極める際に重視されます。
ゴールデンクロスとデッドクロス
移動平均線には、特定のタイミングで重要なシグナルを発することがあります。その代表的なものがゴールデンクロスとデッドクロスです。
- ゴールデンクロス:短期の移動平均線(例えば25日)が長期の移動平均線(例えば75日)を下から上に抜けた時のことを指します。これは、株価が上昇トレンドに入る可能性が高いとされ、買いシグナルと見なされることが多いです。初心者でも、このサインが出たときには、上昇相場に乗るチャンスと捉えることができます。
- デッドクロス:ゴールデンクロスの逆で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けた時を指します。これは、下落トレンドに入る可能性が高いとされ、売りシグナルと考えられます。デッドクロスが発生すると、これからの相場で価格が下がるリスクが高まると予測されます。
まとめ
移動平均線は、株価の過去の動きを平均化して見やすくしたものです。短期と長期の移動平均線を使い分けることで、相場の流れを把握しやすくなり、ゴールデンクロスやデッドクロスといったシグナルを利用して、より効果的な投資判断を下すことが可能です。移動平均線を理解し、実際のチャートで確認することで、株式投資の精度を高める一助となるでしょう。